2022年は為替が大きく動いた1年でした。外貨定期預金に預けていた人は年利(金利)よりも円安による為替益の方が利益が大きかったですね。
そんな外貨の定期預金ですが、ネット銀行大手の住信SBIネット銀行から年利5%(税引き後3.98%)の外貨定期預金が販売されています。
※円預金から米ドルを購入した場合の金利
外貨定期預金に詳しい人も詳しくない人も外貨の定期預金で5%はものすごく利回りが高いと感じるのではないでしょうか。
「外貨定期預金」は円を外貨に両替して外貨(ここでは米ドルとする)が定められた期間預金する方法ですが、円での定期預金の金利はせいぜい0.02%程ですので、外貨定期預金いいんじゃないか?
と1年ぐらいであればいいか!!と試してみたくなる利回りです。
でもネットなどで色々と調べてみると、外貨定期預金にもメリット・デメリットがあります。
デメリットの代表的な例として
・為替変動リスクが大きい!
→為替変動はリスクにもリターンにも繋がるので購入時より『円安』まで待てるならデメリットにはならない。むしろメリットとなる(為替益)
・元本割れリスクがある!
→為替の影響が大きいので購入時よりも『円高』となったタイミングで売れば年利以上に為替損が発生し、結果的に元本割れとなる可能性もあります。
対策は1年定期期間満了後も外貨のまま保有することで元本割れのリスクは回避可能。
円での定期預金で安全に!と考えている人には0.02%(円での定期預金)の年利で運用してもらい、少しリスクを取れる人は外貨の定期預金(1年〜3年外貨のままでも待てる人)で5%の年利で運用しつつ為替が円安となっている方に期待して待ちましょう。
私が考えている1年定期のデメリットは、1年後に為替が円高になっている怖れです。
対策は円に戻さなければいいだけの話ですが、事情もあると思います。
外貨定期預金を購入する前に知っておく最低限の知識
『外貨』と付くと手数料が高い!危険!怖い!という印象があるかも知れません。
しかし、為替と手数料、いつまで外貨で保有できるのか?年齢や資産設計によって外貨保有期間は年齢が高いほど保有期間は短くなってくると思います。
個人的には外貨は外貨のまま保有し続けて、2022年のように円安となっているタイミングで外貨→円に戻せば手数料以上に利益も出るし、危険でも怖くもありません。
まずは
・為替についてどれぐらいの期間許容できるのか?
・円よりも外貨の方が利回りがいい点!
・外貨への両替手数料(為替コスト)がどれぐらい必要なのか?他社の手数料と比較してみると高いか安いかがよく分かる。
以上3点ぐらいを理解していれば、外貨定期預金は危険でも怖くもありません。
為替についてどれぐらいの期間許容できるのか?
1年間のドル円チャートを参考位してみると
外貨定期預金の1年定期の場合、満期後の為替変動の影響が大きく元本割れするかしないかに影響されます。
2022年3月2日に10,000米ドル購入した場合、日本円で約115万円必要です。
結果的に
2023年3月2日は1ドル=約136円の円安に進んだ為、年利以上に為替益が発生して満期解約(米ドルを円に戻す)することができました。
1万米ドル=115万円が136万円相当ですから外貨定期預金組としては良い一年になりましたね!
1年後の2024年3月2日の為替はどうなっているのか分かりませんが、定期預金の金利は5%(税抜き後3.98%)が確定しています。
1万米ドル=約136万円相当が必要ですが、1年後の金利は5%の税引き後3.98%ですから、398米ドルの金利が入金されます。
外貨のままであれば、398米ドル
円で受け取るなら、満期時点での為替(136円のままなら)136×398=54,128円(参考)となります。
100万円を0.02%の1年定期で運用した場合の金利は100万x0.02%=200円・・・。(参考)
リスクを取らなければ損失のリスクはないけれど、時間という機会損失が発生してしまってます。
住信SBIネット銀行の為替コストは片道6銭
ここまでスラスラと進めて参りましたが、円を外貨に両替するには『為替コスト』が発生します。
10万円を米ドルに両替するには両替手数料が発生します。
分かりやすいのが国際空港にある両替所です。両替所にはSellとBuy、売る時のレートと買う時のレートが表示されています。
米ドルを買いたい場合と売りたい場合のレートに開きがありますが、その差額が両替所の取り分(利益)となります。消費者(両替したい人)からすればコスト(手数料)となります。
少し前の画像となりますが、円→外貨(米ドル)購入時のレートは107.99円です。
逆に買取(外貨→円)レートは103.08円としたの方に小さく記載されています。
※実際のドル円TTMは105.5円ぐらい
外貨の為替の影響が大きいというのは、外貨を両替する金融機関によっても大きく変わってきます。
この上画像のレートだと為替コストは約2.5円となります。
1万米ドルを購入する場合、107万9900円が必要です(ドル円105.5円)
為替コストがかからなければ105万5,000円ですが差額24,900円が手数料として引かれます。
※両替所の場合、現物紙幣の確保にコストがかかるのでデジタル上よりもコストは上がります。
では為替コストが6銭だとすると
1万米ドルを購入する場合、約600円の為替コストで購入することができます。
定期期間満期時の取り扱い方法
定期預金申し込み時にもう一つ選択する項目があります。
説明を読み進めていけば分かりますが、今回の特別金利は1年のみです。
私は満期解約して『元金』と『利息』を外貨普通預金に入金してもらい、その時点での為替次第では円転するか、SBI証券に移動して外国株式などへ移行したり、そのまま放置したりを選択します。
特別金利は初回お預入れの満期日まで適用されます。満期取扱方法にて「元利継続」もしくは「元金継続」を選択された場合、自動継続の際は満期日(ご継続日)時点の金利が適用されます。
https://www.netbk.co.jp/contents/lineup/gaika/teiki/transaction/
以上の事からまとめると
今回の住信SBIネット銀行の外貨定期預金の金利は非常に魅力があります。
為替コストも良心的な金額です(6銭)。
問題は1年後の為替(ドル円)ですが、こればっかりはプロのFXトレーダーでも読めないので現時点での価格(136円とします)より円高であればそのまま外貨で円に戻さない!逆に円安であれば外貨を円に戻す!でいいと思います。
外貨が怖くない点ご理解いただけたでしょうか?
外貨定期預金も取り扱っている金融機関によって手数料や金利は様々です。
住信SBIネット銀行の関係者でも紹介するメリットも何もありませんが、口座を開設しておいて損はありません。
外貨定期預金に向いている人は
・証券口座は開設していなけれどネット銀行は使いこなせれる人
・FX口座などを経由してまで外貨を保有したくない人
・普通預金に寝かせている円を米ドルで運用してみたい人
今回は初心者向けに書いてみましたが、外貨預金の購入の参考になれば嬉しいです。
10万円からでも購入できるので初めは少額から試してみるのもいいでしょう。
参考のシミュレーション
1年後の適用レートは果たして???
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